ゼミの様子

2期生の最後のゼミでした。最終回は全員が卒論についてプレゼンをした後、各自がこれまでの人生を振り返りこれからを展望する、人の人生を大切にする当ゼミらしい時間になりました。

聞いている3期生の中には涙を流す人もいて、あたたかな最終回となりました。

2,3期生で一緒に。図書館旧館ステンドグラス前にて

今日のゼミは、卒論の調査でインタビューをしたことがある学生たちに経験を共有してもらいました。

インタビューの概要を簡単に紹介した後、5-10分ほどの録音を聞きます。どの部分を持ってくるかは報告者に委ねましたが、あまりうまくいかなかったと感じた箇所が選ばれたようです。

各報告の後で、1.単純な質問、2.聞き手を褒める、3.インタビューの方法について議論するという3点をゼミ全体で行いました。

教員としては「そんな細かなところまで気になるのか」と驚くような指摘もありました。インタビューには絶対正解となるような方法はありません。それでも、どのような点に気をつけられるか、事前に検討しておくと、少しは不本意な結果を免れるかもしれません。

少しずつ調査に行く学生が増えてきたのでようやく実現しましたが、今後も学生の経験に触れながら社会調査について議論して行きます。

慶應義塾大学協生環境推進室では、三田キャンパス内に、多様なバックグラウンドの学生たちが集える場所「協生カフェ」を作ることを目的とした学生企画の公募を行っていました。初の「協生カフェ」公募となる今回は「SOGI×居場所づくり」が共通テーマに掲げられました。

当ゼミのサブゼミで3年生5名からなるチームも応募し、4つある採択団体の一つとしてファイナルコンペティションに進みました。

プレゼンテーションの結果、「審査員特別賞」を受賞しました。今後、他の採択団体や協生カフェのワーキンググループ教職員・専門家、そして運営をサポートしてくれる学生たちとともに新年度のカフェ運営に向けて準備を進めていきます。

慶應義塾大学経済学部の河端瑞貴先生のゼミと交流を行いました。河端ゼミは「空間」を切り口として都市・地域の社会経済課題をGIS(地理情報システム)を用いて分析しているゼミです。当研究室にGISサブゼミがあることから、お声がけくださったものです。当研究室からはGISサブゼミであるかに関係なく3名の学生と教員が参加しました。

1コマで「ハンバーガーショップを新規出店するにはどこがいいか」というお題でGISの基礎操作を学びながらワークを楽しみました。学部を超えての交流が実現でき、とても嬉しいです。河端先生、河端ゼミの皆さん、ありがとうございます。

日吉キャンパスで昼休みを使ったゼミ説明会が11月15日と17日に開かれました。質問が出たときのために教員も同席しましたが、事前の告知から当日の運営まですべてゼミ生が担いました。

社会学、とりわけ地域社会論に関心のある学生たちの積極的な応募をお待ちしています。なお、当研究室は原則としてすべての回が「オープンゼミ」で、見学を受け付けています。(希望する方は、関連ページをご覧ください。)

担当教員(笠井)を筆頭著者とし、計11名の共著により地理情報システム学会(GISA)で口頭発表が行われました。

11名のうち5名は本ゼミのGISサブゼミの学生(4年生2名、3年生3名)です。GISサブゼミではほかの共著者である6名(立命館大学ARC-iJAC共同研究班)と毎月のZoom研究会に参加してきました。

そうした中、博物館所蔵の古地図を分析することになり、学生たちも実際に分析のための作業を行い、共著者として発表することになりました。

学生が行ったのは、古地図と現代地図の同一地点を見つけてGISソフト(QGIS)上でデータ化していくという作業です。GISソフトの扱いに比較的慣れたゼミ生が他のゼミ生に教えながら、提供を受けたすべての古地図について同定作業を行いました。

その後、玉川さんに教えていただいた数式にデータを投入し、古地図にどのような歪みが生じているかを分析しました。

発表は研究室の教員である笠井に任せたものの、学部学生も学会の場で発表できる質の分析ができることを示せて良い機会になりました。ゼミに入ったら、「学部生だから」と遠慮するのではなく、研究者の卵として、学会を見に行ったり参加してみたり、積極的に挑戦してみましょう。

本ゼミでは意欲のある学部学生の学会発表も教員がサポートします。

ゼミにはGIS(地理情報システム)を用いて地域社会について分析するGISサブゼミがあります。GISサブゼミでは滋賀県栗東市の市立博物館が所蔵する古地図についても分析を進めています。

分析と並行して、同館所蔵資料のデジタルアーカイブも図っており、そのために史料撮影の研修を立命館大学アート・リサーチセンター(ARC)にお願いしました。ゼミ教員(笠井)がARCで共同研究の代表になっており、そのことをきっかけに研修を依頼したものです。

今回、GISサブゼミからはTさんが同行し撮影研修を受けました。Tさんは慶應義塾大学の学芸員課程も受講しており、関連する経験を深めるいい機会になったことでしょう。

栗東歴史民俗博物館の学芸員(左)とゼミ生のTさん

龍谷大学ではゼミを7期まで担当しましたが、慶應義塾では2022年3月に卒業した学生たちがゼミ1期生です。まだ働き始めてから半年も経っていませんが同窓会が開かれました。

1期生が在学中にはゼミでの飲み会はほぼなかったのが残念でしたが、これから毎年少しずつ交流を深められることでしょう。
ちなみに、「ビストロローブン三田店」のコースにしました。雰囲気も料理も満足。

ゼミ3期生(現3年生)のMさんは授業で知った「保護司」に関心を持ち、卒業研究を進めています。

保護司についてはゼミ担当教員(笠井)の講義でも言及されることがありますが、保護観察等の社会内処遇を担っている公的ボランティアの一種です。担当教員の論文としては次のものがあります。

笠井賢紀(2017)「「保護司になっていく」こと:34年間保護司在任者の生活史を中心に」龍谷大学矯正・保護総合センター『龍谷大学矯正・保護総合センター研究年報』6, pp.99-117

Mさんも、担当教員に保護司の紹介を頼み、滋賀県で保護司をされている方に生活史(人生史)を伺いに来ました。今回は初めてのインタビューでもあり、教員からの紹介でもあるため、教員も同席しました。

追記:この後、Mさんは教員の力を借りず、一人で滋賀に訪問し調査を継続しています。

ゼミ生の卒業論文は個人研究の成果です。そのため、一人ひとりが異なるテーマ・対象で取り組みます。

2期生のIさんは児童虐待関連の援助職専門家に関心を持ちました。そこで、教員(笠井)から滋賀県内の児童相談所や家庭児童相談室の方たちを紹介し、またIさん自身がそれらの方たちから紹介を受け、生活史(人生史)の聞き取りを進めています。

今日は教員が講師を務める滋賀県援助職交流研修会が開催されたのでIさんも滋賀に同行しました。

今後、生活史の聞き取りに協力してくださる方を募ったところ、実に20名以上(!!)の方が協力を申し出てくださいました。もちろん、未来の(4期生以降の)ゼミ生で、同じように関心を持つ人がいれば、Iさんの研究を引き継ぎ発展させることも可能です。

関心を持ったことがあるとき、なんでも一人でやらないとダメなのではなく、必要に応じて専門家や対象者を紹介してもらったり、実践の現場に入れたりするのも、ゼミの良い点です。