日本民俗学会第75回年会で報告

2023年10月21~22日に成城大学で開催された日本民俗学会第75回年会で、次の1件の報告を行いました。これが私にとって初めての日本民俗学会での報告です。

  • 『神宮御師資料』に基づく御師配札圏域のGISツールによる可視化―伊勢講組織化の分析に向けて―

「伊勢神宮に一度は参詣したいと願う地域の人たち」と対応する形で、江戸時代には伊勢の御師(おし/おんし)と言われる人たちが全国各地で、伊勢講の組織化を促し、伊勢講と関係を結んでいました(師檀関係)。

私はこれまで、特定の伊勢講についての研究を進めてきましたが、科研費基盤研究(B)「伊勢参宮ツーリズムの近代史に関する学際的研究」(研究代表者:平山昇先生)に参画させていただく中で、御師にも関心をもちました。

そうした中、櫻井治男先生(皇學館大学名誉教授)に『神宮御師資料』について教えていただきました。この資料は、明治4年に師檀関係(御師制度)の廃止を受けた後、当時の御師たちが、それぞれどの国・郡でどういった配札の株を有していたかを調査しまとめたものを、皇學館大学があらためてまとめたものです。

御師研究ではたびたび使われる史料で、論文の内容に応じて国別の集計などもなされていますが、今回の発表ではGISを用いて全国区で地図上にデータを可視化する試みを報告しました。(分析は今後行っていきます。)

民俗地図というのは以前からあるので、空間情報の可視化については民俗学会の皆様も関心は高く、「自分の史料もGISで可視化したい」とご相談をいただくこともできました。

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