醍醐寺で五大力カフェ

※本投稿の写真は薮井芽吹さん


2月23日は毎年、世界文化遺産「京都古都の文化財」を構成する寺でもある醍醐寺(真言宗醍醐派總本山)で、五大力さんの愛称で親しまれる五大力尊仁王会が執り行われます。

五大力さんといえば、大きな鏡餅を持ち上げる行事が有名で、毎年ニュースにもなっています。

五大力さんでは御影(みえい)というお札の授与がこの日に限って受けられます。御影は2月15日から21日まで醍醐派の僧侶1,000人以上が祈祷したもので、多くの参拝者がこれを求めてやってきます。


そうした中、私が担当する科目「コミュニティマネジメント特論」では五大力さんの1日限定で「五大力カフェ」を実施しました。同科目は2015年度に大学コンソーシアム京都が「京都世界遺産PBL」という枠組で始めたものの一つで、昨年度(2016年)の五大力さんでは特設ブースを設けて受講生が制作したポストカード3,000枚を配布しました。

五大力さんの日にこれまで開かれていた伽藍に加え、今年度からは豊臣秀吉の庭や唐門でも有名な三宝院と、寺宝を収蔵する霊宝館も拝観可能になりました。これに合わせて、霊宝館の敷地内にあるスペースを特別に醍醐寺にお借りして五大力カフェが実施されることになったわけです。

今年度の受講生は「醍醐寺の魅力は、人によって異なる魅力が見つけられるというその多様性にこそある」ということと、「僧侶らと今まで以上に気軽な雰囲気で醍醐寺来場者と交流できる開かれた場になってほしい」ということを掲げました。

授業としては企画立案までで終わりなのですが、授業期間終了後も(昨年度受講生同様に)全受講生がボランタリーに活動を続け五大力さんを迎えました。この間、当初、受講生らが作りたがっていた茶菓「だい☆グミ」(醍醐味との掛詞)制作を断念するなど、受講生にとっては思い通りに行かず悔しいことも多かったはず。
それでも、以前から学生たちが大学生協で食べていたクッキーやドーナツを作っており、醍醐寺のすぐ近くにある障がい者就労支援施設「京都市だいご学園」に、「醍醐の花見」に掛けた桜味の焼きドーナツを開発していただき、受講生にとっても思い入れのあるカフェのメニューになりました。

カフェでは大きな御影ではなく懐中守りと僧侶直筆のカード、そして昨年度の受講生が制作したポストカードが入ったセットの授与も行われました。昨年度の受講生自身がボランティアで店頭に立ったり、客としてカフェに訪れたりして、醍醐寺への愛着を感じさせられます。

僧侶も何名もいらして、カフェのお客さんとの気さくな交流を楽しんでくれました。カフェでは、1年間の授業の内容を紹介したり、2月1日に京都市立醍醐小学校と行った企画「醍醐探検隊」で同校4年生が作った「醍醐寺マップ」を展示していました。

五大力カフェには児童たちも自分たちのマップを観に来てくれ、企画の当日にはゆっくり観られなかった他の班のマップも見ながら盛り上がってくれました。

売り上げを目的としたカフェであれば問題点は多かったかもしれませんが、僧侶と来場者との交流、過去の受講生の拠り所、他事業との連繋などを達成した受講生たちは、本当によくやったと担当教員としては感じています。

▼京都世界遺産PBL 醍醐寺×龍谷大学「コミュニティマネジメント特論」についてはこちら

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