研究会について

 

1.担当教員より

私(笠井賢紀)は2019年度に政治学科に赴任した教員(専任講師)で、2020年度に研究会を初めて担当します。そのため、入会する学生は1期生であり初年度は原則3年生のみとなる予定です。先輩やゼミの伝統がない代わりに、自分たちこそが雰囲気や実績を率先して作り出すという気概をもって取り組むことができるでしょう。

専門は地域社会論および質的社会調査法(特に人生史の聞き取り)です。地域社会、コミュニティ、都市・農村、民俗、共生、福祉、生活などのキーワードに関連する話が多くなります。

私自身は現在までに13回の引越を経験し帰省する場所、あるいは「ふるさと」と呼べる場所はありません。また、引っ越すことが前提となる生活が長く、日本の地域社会論において中心的なテーマの一つである自治会・町内会に入会したこともありません。しかし、だからこそコミュニティ幻想に囚われず、知的好奇心の尽きない<地域社会>という対象に向き合い続けるのではないかとも思います。

国内外で調査を続けるうちに「地域社会を支えるボランタリーな人たち」の働きに驚きを覚え、彼らこそが公共性を育んでいると考えました。同時に、地域社会の彼らへの強い依存にも気づかされました。そうしたコミュニティ・ボランティアの人たちの人生史に基づく研究に取り組んでいます。最近では民俗調査(左義長、伊勢講)や、空き家を「住み継ぐ」ためのプロジェクトにも参画しています。

これまでの/これからの地域社会を共に考えるには、現場としての地域社会での経験や調査と、それを冷徹に分析するための理論の両方が欠かせません。本研究会では、学説史研究を行う場合においても「現場を持つこと」を必須とし、個人・グループで社会調査を行います(国内・国外を問いません)。最終的には各自が個別の地域社会について2度以上訪問して調査を行い、全員が卒業論文を執筆します。

教員自身の調査手法は主に個人の人生史の聞き取りを中心とし、地域社会の社会史との関連から地域社会を描く「生活史法」です。地域社会や人生について学び考えたい皆さんの入会を心より歓迎します。

入会に際して特別に求める能力や経験はありません。ただし、地域社会を冷静に――ときに批判的に――調査・研究しようとする姿勢と、同時に、地域社会で現に生活している人たちへの謙虚な姿勢を兼ね備えられるよう努められる人を望みます。

(ウェブ版の追記)担当教員が現在取り組んでいる研究の一端は次のインタビュー記事にまとまっている[日本生活学会の100人 vol.5 笠井賢紀氏

2.研究の対象

主に現代の地域社会における諸課題。対象地域は国内外を問わない。地域社会への関心に基づく研究であれば、対象は個人であってもよい。

3.ゼミ生の構成

(新規開講のため情報なし)

(ウェブ版の追記)龍谷大学における7年間のゼミで毎年約10名ずつ、計70余名の卒業生がいます。

4.他学部生の受け入れ

可。政治学科の学生と同様の課題・方法で判断します。他学部(学科)生の場合には必ず志望理由に「なぜ他学部(学科)の研究会を志望するのか」がわかるように書いてください。他学部(学科)のゼミと本研究会を兼ねることは認めますが、その場合は複数のゼミを兼ねることにより期待する効果が見込めることを条件とします。

5.ゼミ生からのコメント

(新規開講のため情報なし)

(ウェブ版の追記)新規に政治学科で開講する予定の研究会とは相当に雰囲気や進め方が変わると思いますが、龍谷大学社会学部でのゼミの様子はFacebookページにじゃっかんの情報があります。 https://www.facebook.com/kasaiseminar/

同ページにも記載がありますが、これまでに学部生で2件3名の学会発表を行っています(政策情報学会、日本生活学会)。

6. ゼミの進め方

水曜午後はすべて研究会に当てるものと想定しておいてください。運営は学生と協議のうえで決めますが、参考スタイルを以下に示します。

  • 本ゼミ(水曜3,4限)
    • 社会学(主に地域社会論、都市社会論、農村社会論およびコミュニティ論)に関する文献講読を行う。
    • 質的社会調査に関する文献講読および演習を行う。
  • サブゼミ(水曜5限)
    • グループ(または個人)で社会調査の計画を練り準備を進める。
    • 個人の卒業論文に関する教員との個別面談を行う。
  • ゼミ活動
    • 日本国内の地域で合宿を行い、地域社会との交流を深め議論する。場合によっては社会調査も行う。合宿はインターゼミ(他大学・学部との合同合宿)を予定。
    • 三田論は行わない予定。
    • その他のレク等はゼミ生の自主的な企画に期待する。

7.主な使用文献

ウェブサイトに適宜掲載する。工藤保則・大山小夜・笠井賢紀編著『基礎ゼミ社会学』(2017, 世界思想社)はゼミでは用いないが前提とする。

8.ウェブサイト

入ゼミ関連:https://katatsumu.jp/keio-entry/

9.連絡先

笠井賢紀(教員本人)kasai [at] law.keio.ac.jp