研究会について

 

1.担当教員より

地域社会論は社会学の一分野です。地域社会と聞いて、自分が生まれ育った地方や、ニュースや作品で知る田舎暮らしの良し悪しなどをイメージする人もいるかもしれません。しかし、地域社会は必ずしもruralやcountrysideを意味するものではなく、都市や郊外も含まれます。人の生活が関わっている何らかの地域性全般を対象とする分野です。そのため、民俗行事や祭礼といった伝統に関わるもののほか、住民自治や地域福祉、さらには公共空間の利用なども射程範囲です。

担当教員は以上のうち、特に滋賀県で民俗(伊勢講、左義長)、住民自治(自治会、ニュータウン)、地域福祉(更正保護、児童虐待、子どもの貧困)などを対象とした研究に取り組んでいます。もともとは生活史法という、人生史の聞き取りを中心として社会史に迫る方法を取っていました。最近はそれに加え、GIS(地理情報システム)や計量テキスト分析にも関心をもっています。また、古文書を含む民俗資料の読解や、地域住民とのコミュニティアーカイブ制作などにも幅を広げようと挑戦しています。他の研究室と比べ担当教員の研究歴が浅いですが、その分、ゼミ生と教員がそれぞれに自分がいま一番取り組みたいことに取り組み、互いに影響を与え合う半学半教が体験しやすい研究室かもしれません。

本研究室を志望する学生は独立自尊の精神を持ち――自身の強い興味関心と責任感、そして他者への尊敬を抱えながら――、人と接する何らかの社会調査に基づく研究を行って下さい。コロナ禍でフィールドワークがきわめて困難な中、新しい社会調査法を考えるのもまた私たちの役割です。地域社会を机上の対象として捉えるだけでなく、その社会に自分も何らかの形で巻き込まれてしまうような――あるいは社会を巻き込んでいけるような――、実学志向の学生を待っています。

教員や先輩は少しだけ皆さんより早く地域社会論の勉強を始めたに過ぎないので、入ゼミ後すぐに、学問上は対等の関係で議論に加わってください。私も皆さんから多くのことを学ぶのを楽しみにしています。

2.研究の対象

主に現代の地域社会における諸課題。対象地域は国内外を問わない。地域社会への関心に基づく研究であれば、対象は個人であってもよい。

3.ゼミ生の構成

1期生(2020年度入ゼミ 実員) 14名

2期生(2021年度入ゼミ 実員) 10名

3期生(2022年度入ゼミ 定員) 15名

4.他学部生の受け入れ

可。政治学科の学生と同様の課題・方法で判断する。他学部(学科)生の場合には必ず志望理由に「なぜ他学部(学科)の研究会を志望するのか」がわかるように書くこと。他学部(学科)のゼミと本研究会を兼ねることは認めるが、その場合は複数のゼミを兼ねることにより期待する効果が見込めることを条件とする。

5.ゼミ生からのコメント

(ウェブ版の追記)本ウェブサイトにゼミ生投稿記事があります。

6. ゼミの進め方

水曜午後はすべて研究会に当てるものと想定しておいてください。運営は学生と協議のうえで決めますが、参考スタイルを以下に示します。

<卒論ゼミ(水曜3限)>
  • 社会学に関する文献講読を行う。
  • 質的社会調査に関する文献講読および演習を行う。
<文献ゼミ(水曜4限)>
  • 各自の個人研究について研究発表・議論を行う。
  • ゲストスピーカーによる講演を行う。
<サブゼミ(水曜5限)>
  • グループ(または個人)で社会調査の計画を練り準備を進める。
    • 過去2年間は学外の「観光まちづくりコンテスト」に応募したグループがあります。
<その他のゼミ活動>
  • 三田論を行うかどうかは未定。
  • その他のレク等はゼミ生の自主的な企画に期待する。
  • 個人の卒業論文に関する教員との個別面談は適宜行う。

7.主な使用文献

ウェブサイトに適宜掲載する。次の3冊はゼミでは用いないが読んでいることを前提として進める。

  • 工藤保則・大山小夜・笠井賢紀編著『基礎ゼミ社会学』(2017, 世界思想社)
  • 笠井賢紀『栗東市の左義長からみる地域社会』(2019, サンライズ出版)
  • 笠井賢紀・工藤保則編著『共生の思想と作法』(2020, 法律文化社)

8.ウェブサイト

入ゼミ関連:https://katatsumu.jp/keio-entry/

9.連絡先

笠井賢紀(教員本人)kasa [at] keio.jp (※kasaの後に i は不要です。入れると別の教員に届きます)

その他情報(ウェブ版への追記)

  • 研究室の教員・ゼミ生の連絡手段にはDiscordというアプリを用います。
  • 研究室のファイル共有にはGoogleドライブを用います。