190821_キックオフ

2019年8月21日19時から22時まで滋賀県草津市内にて、事務局である栗東市住宅課職員2名に加え、本事業の申請段階から関わっていた専門家4名(デザイナー、コンサルタント、建築士、社会学者=笠井)の6名で集まりました。事務局から採択報告と協力依頼が改めて行われ、今後の展開について協議するキックオフミーティングとしました。

主たる協議事項は次の通りです。

  • 育成する人材の候補者像
  • 組織するNPOの行政との関係性および運営方針・体制
  • 聞き取り対象の選定方法と候補
  • 予算編成、予算執行の方法
  • スケジュール

審議し決定するという過程ではなく、まずは基礎的な確認とアイデア出しという段階だったので、ここでは自分で述べた意見を紹介するに留めておきましょう。

目指す新設NPOが「市が組織したNPOで栗東市からの業務委託だけを行う外部組織」か、「市が設立に大きな役割を果たすが、将来的には栗東市以外の業務も行うなど一定の独立性を目指す組織」かで目指す方向が相当異なる。後者を目指すことになると思うが、その場合、RMR(リノベーションまちづくり栗東)という組織仮称が適切か疑問がある。たとえば「住まいの記憶史」等の組織名であればわかりやすい。

NPO設立を目指す以上、どのような人たちが同NPOの理念に共鳴して会員になるのか、会員になるとどのようなベネフィットがあるのかも明らかにしたい。

育成する人材像がいまいち見えないが、本事業を通じて育成される者でないとモデル事業としては不適当である。つまり、既に聞き手人材としてもNPO事務局の中心的役割も果たせるような人材をここに据えても本事業の目標は叶えられない。

聞き取りは技巧よりも、知識や想像力が重要であり、それらを得るためには実際に<住まいの記憶史>の聞き取りを始めてみなければポイントが掴めない。早急に聞き取りを始めた方が良い。

羅生門アプローチは本事業でも応用可能ではないか。つまり、特定の家屋について家主や思いが強い人1名のみに話を聞くのではなく、家族や近隣住民から描かれる<住まいの記憶史>もあるはずで、とりわけ本事業が景観まちづくりに端緒を持つことを考えると意味のあるアプローチだと思う。

「この住まいのことを覚えていてくれ」というのは、思い出写真集・文集を作ったりお別れのイベントをしたりするということでは達成されないし、願った者も満足しない。人が死んだ後、葬式を開くだけではなく、回忌などによって度々思い出され話題になることが社会的に担保されているということが参考になる。私たちは死後もなおすぐには忘れられず、遺された人に覚えていてもらえるという感覚がもてる(ただし現在もこの社会的仕組みが求められているとはいえない部分もある)。同様に、住まいを覚えているためには、住まいが思い出される契機が必要ではないか。