栗東住み継ぎ事業

滋賀県栗東市は2019年(令和元年)度の国土交通省「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」に「リノベーションまちづくり栗東(RMR)設立支援事業」を申請し採択されました。

私(笠井)は申請書において「連携する事業者等」欄に記載されており、申請前の段階から企画に参画してきました。今後は事業実施主体の一人として参画することになります。本事業がモデル事業であることに鑑み、一主体としてできる限り事業の進捗を記録・共有していこうと考え、本ウェブサイトにこのコーナーを設けることとしました。本コーナーの名称は「栗東住み継ぎ事業」としておきます。

本コーナーにおける記載は現在進行中の事業に関する一参加者の記録を速記的・速報的に共有するものであり、実施責任者(栗東市住宅課)の公式見解や、事業における決定事項を伝えるものではありません。当然、実施責任者の見解が別に示される場合にはそちらが優先されます。

さて、本事業は私の理解に基づいてまとめると次のようなものです。(申請書類からの抜粋・要約ではなく、いわば意訳のようなものです。)

事業概要(笠井意訳版)

栗東市はこれまで景観まちづくりに積極的に取り組み、100年先に受け継げる景観を目指した諸事業により経験を蓄積しネットワークを構築してきた。他方、景観を構成する重要な要素である家屋については、他自治体同様に空き家問題が生じている。

空き家の所有者は、自身が家屋に抱いている思いや価値を共有しない者に空き家を貸すことには消極的である。とりわけ、当該家屋が景観的価値等を含み地域における重要性が高い場合には、所有者と借り手(利用者)といった当事者間の問題に留まらず、当該家屋の地域における価値を尊重する借り手へと<住み継ぐ>ことが重要となる。

そこで<住みつぐ>ことを実現するためには、当該家屋に込められた思いや価値を言語化し共有する手続きが必要である。本事業ではそれらの思い・価値を<住まいの記憶史>と呼ぶ。

本事業には次のような諸主体が関わる。

●<住まいの記憶史>の語り手

  • 景観的重要性を有する家屋の所有者

●<住まいの記憶史>の聞き手人材育成役

  • 生活史調査専門家(社会学者)=生活史の聞き取り方法、まとめ方等
  • 建築士=家屋構造の変遷や利用法の記録方法等

●聞き手人材育成のためのガイド制作

  • デザイナー

●聞き手人材

  • 本事業を市から受託することになるNPOで事務局の中心的役割を担える者
  • 事務局の中心的役割を担える者を支え<住まいの記憶史>を共有する者

●家屋利用者

  • <住まいの記憶史>の共有を受け、所有者から家屋を<住みつぐ>者

●諸主体を調整し事業全体の遂行を司る者

  • 市役所
  • まちづくりコンサルタント

聞き手人材の候補者は、聞き手人材育成役の専門家たちの知見を生かして<住まいの記憶史>を言語化・可視化して共有できる人材となることを目指す。そして、育成された人材がNPOを新たに立ち上げ、次年度以降は栗東市から当該業務を受託できる水準になることを目標とする。

これらを達成するために、事業初年度である本年度は専門家自身による<住まいの記憶史>の聞き取りと、それに基づくデザイナーによる伝達用諸媒体の制作を人材育成と並行して行っていく。