こんにちは。ゼミ生のゆうたろうです。
みなさん、夏休みはいかがお過ごしでしたか。
ゼミ生の中には、フィールドワークに行く人がいたり、院進学のための勉学に励む人がいたり、課外活動に積極的に参加する人がいたりと、それぞれの話を聞けるのがいまから楽しみです。
さて自分はといいますと、学生生活最後の夏休みを利用して、ヨーロッパに行ってきました。
留学時代の友人に再会できたり、日本から留学している友人に会ったりなど、とても充実した楽しいひとときを過ごしてきました。
そのなかでも今日は、昨年度にノルウェーのオスロ大学から本研究室にきていた研究生のイェンスくんと、その指導教員の教授を訪ねに、笠井先生と行ったノルウェーの4泊5日の旅について紹介したいと思います。
現在ノルウェーにいるイェンスくんとスコットランドで在外研究中の笠井先生とは、昨年度の遠野旅でも一緒に旅をしており、2人との久しぶりの再会にとても胸が躍りました。
1日目
オスロ空港で笠井先生と合流し、空路でイェンスくんが住むノルウェーの古都トロンハイムへと向かいます。
オスロ空港での待ち時間では、売店の水のペットボトルの値段(1本約600円)に2人で驚愕しながらも、久しぶりの再会に会話が弾みます。
無事トロンハイムに到着した頃には、すっかり日は沈んでおり、ホテルの近くのハンバーガー屋さんで夕食を済ませ、少し街を歩いて、スーパーを物色し、その日は眠りにつきました。
やはり、知らない街のスーパーやお散歩の時間は、こころが躍ります。

この夕食をとったハンバーガー屋さんでは、アフガニスタンからの移民としてきている従業員の方のとても興味深いお話を、偶然聞くことができました。
その日が移民としてノルウェーにやってきて10周年の記念日であること、どのようにしてノルウェーまだやってきたのか、そしてはじめて聞いた不法移民の意味のDonkeyという言葉についてなどなど、ちょっとしたスモールトークからも、とても考えさせられるものがありました。
2日目
少し早めに起床し、近くのカフェでシナモンロールとコーヒーをいただきました。どうやらノルウェーではシナモンロールが有名らしく、ベーカリーには数種類のシナモンロールが並べられていました。
身支度を整えて、笠井先生がモロッコで行われた国際社会学会で知り合った社会学者のアミーナさんを訪ねにに、ノルウェー科学技術大学(NTNU)のキャンパスに向かいます。
またその道中では、イェンスくんの家にも立ち寄り感動の再会も果たせました。そこからはいつもの自分たちらしく、イェンスくんのお家から徒歩で1時間以上かけて、大学のキャンパスに向かいました。
キャンパスのカフェでの社会学者のアミーナさんとの対話のなかでは、それぞれの研究についての話のほか、社会学の理論についても大変議論が盛り上がりました。

自分はといいますと、自分の英語能力を加味したとしても、なかなか内容を理解することが難しかったです。
笠井先生がおっしゃっていたように、言語の問題の以前に、その学問への理解や知識が足りていないことを認識することが大切だということに気付けたのはよい収穫だったのではないかと思います。
いずれにしても、国際的なアカデミックな交流の中で、研究者同士の専門知でのやり取りに触れられたことは、とても刺激になりました。
そしてその後は、イェンスくんの彼女や弟くんと合流し、トロンハイムの中心部を案内してもらいながら回りました。
たくさん歩いて、たくさん観て、たくさんお話しして、とても楽しいひと時を過ごすことができました。
ペドリくん、サンナさん、ありがとう!

その日のディナーは、サンナさんがイェンスくん経由でおすすめしてくれたノルウェー料理店に予約して行きました。
地産地消の食材からその調理法、そしてレストランの空間設計まで、とてもこだわりが感じられ、大満足のディナーでした。いままであまり食べたことのないような新しい味覚に出会えて、それをみんなで共有し、ああだこうだ言いながら食べる時間は、とても素敵な思い出になりました。
そして笠井先生、ごちそうさまでした。
3日目
この日は、とにかく博物館を周りにまわった1日になりました。
午前中は、自分が行きたいと提案したオープンエアー博物館であるトロンデラーグ民俗博物館に伺いました。ノルウェーのさまざまな地域の伝統的な建造物が、それぞれの地域ごとに集落のように配置され、全体が小さな集落の集まりのようなかたちになっている大きな博物館です。

日本の建物との共通性や違い、建築の意味や目的、そして地域性などなど、先生とChatGPTも有効利用しヒントを引き出しながら、考えたり勉強できたのは、とても知的好奇心が刺激されるよい時間でした。
次に訪れたのが、二ーダロス大聖堂とそれに付随するいくつかのミュージアムです。
二ーダロス大聖堂は、オスロからの巡礼の目的地となっていたり、ノルウェー王室との結びつきが非常に強かったり、ノルウェーの歴史と綿密に関係している歴史の交差点となっており、その規模と建築の美しさからもそのことが伺えます。

大聖堂に付随する2つの博物館では、ノルウェー王室の王冠などの王室関連の豪華絢爛なものの展示に加えて、ノルウェーの歴史を伝える出土品などの展示もあり、とても充実した時間となりました。
そして最後に訪れたのが、NTNUの大学博物館です。この日は運良く、入場料が無料の日でした。
自然科学系の展示から人文科学系の展示まで、幅広く扱っており、大学に所属する研究者たちが解説する動画が、さまざまなセクションに置かれているのは面白い発見でした。
ふだん日本の大学で生活していると、大学の教員たちは単位を取るための講義を担当している「先生」でしかないように、学生からは見えていることが多いと思います。そうしたなかで、専門分野を持つ研究者としての側面を知ることができるような展示は、とてもおもしろいと感じました。
盛りだくさんの博物館巡りを終え、夜のフライトでイェンスくんも含めてオスロへと向かいました。
飛行機が2時間近く遅延するハプニングもありましたが、オスロ空港に無事に辿り着き、その日は空港ホテルで休みました。
4日目
起床後、空港ホテルの朝食会場にいくと、ビュッフェスタイルの豪華な朝食に大興奮でした。しかも、いわゆるノルウェー料理と呼ばれるような品目がたくさん並んでいて、自分はついつい食べ過ぎてしまいました。
イェンスくんに事前に教えてもらっていたブラウンチーズも置いてあり、おすすめしてくれた通りに、ワッフルに乗せてジャムと一緒にいただきました。ブラウンチーズのなんとも言えないあまじょっぱさとワッフルとジャムがよくあいます。
お腹いっぱいに食べたあとは、イェンスくんの指導教員であるオスロ大学の日本研究者のマーク先生のご自宅にお招きいただきお邪魔してきました。
オスロの中心部からは少し離れた場所にあるご自宅までは、森の中を歩いて行きます。ノルウェーの自然を心待ちにしていた自分にとっては、森あり湖ありの最高のウォーキングコースでした。

マーク先生からは、その地域の歴史や植生、ライフスタイル、地域住民のお話など、たくさんの興味深い話を交えて、ご自宅まで案内してくださいました。
ご自宅も日本の元号でいうと大正時代に建てられたものだそうで、とても歴史のある建物とのことでした。過去に使われていたスキーなどの民具が建物の中に飾られていたり、家の建築に昔ながらの工夫が見られたりと、とても面白かったです。
そしてランチには、マーク先生が自ら作ってくださった自家製のパンや、サラダでおもてなししてくださいました。そのどれもが絶品で、満腹になるまでたくさんいただきました。
おいしい料理をいただきながら、ノルウェーでは皆が方言に誇りを持って意図的に使っているという話や、日本やノルウェー、ヨーロッパの政治の話、マーク先生の驚きの日本との出会いなどについてもお話しすることができ、忘れらない大切な思い出になりました。
マーク先生はとても魅力的な方で、話題の幅がとても広く、まさしくこれぞ教養人というような方でした。わざわざ自分たちをご自宅に招いてくださり、手料理を振る舞ってくださったことに本当に感謝です。
マーク先生、この度は本当にありがとうございました。
そしてこうした貴重な縁を繋いでくれたイェンスくんにも、感謝感謝です。イェンスくん、ありがとう!

その後、イェンスくんとはオスロ市内でお別れして、次はオスロの博物館巡りです。
今回オスロ市内では、ノーベル平和センターとフラム号博物館の2つの博物館に訪れました。
ノーベル平和センターでは、ノーベル平和賞に関する展示を行う博物館で、2024年に日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が平和賞を受賞したこともあり、日本被団協関連の展示ブースが設けられていました。
展示は非常に充実しており、多くの訪問者が真剣な表情で平和とは何かについて向き合っていました。

*ノーベル平和センターの折り鶴コーナーにて
そしてフラム号博物館は、ノルウェーの極地探検についての博物館で、実際に極地探検で使われた船を丸ごと展示し、訪問者はその船の内部にも入って船での生活を垣間見ることができました。
この実際の船が、かなりの迫力と充実の展示で、冒険好きの自分にとっては非常に楽しめる博物館でした。
博物館見学を終えて、なんとなく海外の日本食でも食べてみようということで、オスロ市内のアジア料理屋さんで、お寿司とタイ料理風の何かをいただきました。お寿司もタイ料理風の何かのどちらもが、なかなかのおいしさで、満足して空港ホテルへと無事に帰還です。
5日目
この日は、昨日と同じようにホテルで朝食を済ませ、早朝のフライトでエジンバラへと向かいました。
またエジンバラ滞在についてもたくさん書くことがありそうなので、それは別の記事に譲りたいと思います。

4泊5日のノルウェー旅を振り返って、久しぶりにイェンスくんに会えたのはもちろんのこと、イェンスくんが繋いでくれた新たな人との関わりや、見知らぬ街での未知との遭遇など、とても充実した思い出深い旅となりました。
今回の旅でお世話になった方々に、重ねて御礼申し上げたいと思います。